「もう20時か。弟待ってんだろ?送ってく」
ファミレスを出た後、スマホを手にした怜央がそう口にした。
志貴には寄り道をして帰ると伝えてあるが、あまり遅くなるわけにはいかない。
「ありがとう。あ、忘れないうちに渡しとくね。パフェ代」
私が財布を探してる間にお会計を済ませていた彼に、399円を乗せた手の平を差し出す。
「バイト中に発生した金は俺が出すって言っただろ?」
「そうだけど、それとこれとは別でしょ。ファミレスに行ったのはただの休憩なんだから」
認知を目的として足を運んだボウリング場やゲームセンターとはわけが違う。
「ファミレスでも俺らのこと見てる奴いたけど?じゃあ、仕事成立してんじゃん」
「そ、そうかもしれないけど、食事代まで出してもらうのはなんだか気が引けるから。はい」
怜央は私の圧に負けたのか渋々、小銭を受け取った。



