【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



少しだけ距離の縮まった私たちの元に、料理を持った店員さんが現れる。

怜央の前にはハンバーグセット、私の前にはミニチョコパフェがそっと置かれ「ご注文は以上でよろしいでしょうか」という言葉に2人して「はい」と返事をした。


「ほんとにそれだけで良かったのか?」

怜央は熱々のハンバーグをナイフで切りながら、私が注文したパフェを見る。

「うん。帰ったらすぐ晩ごはんだし」

「もうそんな時間か。そういやさっきのボウリング場でのことだけど、」

「ん?」

「瑠佳って彼氏いたことねぇの?」

その言葉にスプーンを握っていた私の手がピタリと止まった。

数時間前に終わったと思っていた話が、突如掘り返されたからだ。

「……いたことないけど」

パフェに視線を落としながら言う。

あんなにはっきりと聞かれれば、もう話題を逸らすなんて不可能だ。

「それがどうかしたの?」

「これからの参考にしようと思って」

「参考?」