【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。






「……瑠佳って、何ができんの?」


それは休憩がてら寄ったファミレスで料理を待つ間に怜央の口から出た言葉。

ボウリングもゲームも何一つ上手くできなかった私を見て疑問に思ったのだろう。

からかうというよりも、本当に知りたくて尋ねている。そんな顔をしていた。

「運動は割と得意な方だと思う。ボウリングとゲームセンターは初めてだったから経験不足なだけで……」

「初めてって、友達いねぇの?」

「いるよ。親友って呼べる子は一人だけど。うちずっと父子家庭だったからお金がかかるような遊びは避けてきたの」

小学生の頃はよかった。

遊び場といえば公園が中心で、鬼ごっこをしたり、ドッジボールをしたり。

でも、中学生になるとカラオケ、プリクラ、ファミレス。

遊ぶとなればお金のかかることばかり。


一度だけ同じクラスの子たちと出掛けたことがあるが、その日だけで1ヶ月分のお小遣い2,000円が失われた。

そんなのをずっと続けられるわけがない。

何度か誘いを断ると、そのうち声を掛けられることもなくなった。