怜央と正式に付き合い始めてから1か月半が経過した。


彼氏がいる初めての夏。

夏休みの宿題を早々に済ませた私は、2学期が始まる前日まで多くの予定を詰め込んだ。

スーパーにガソリンスタンド。

それからお祭りの出店のお手伝い。

……どれも全部、バイトの予定。



一番長くお世話になっているバイト先のスーパー『ミカタ』はお祭りや花火大会が開催されると多くの人が来店して混雑する。

忙しい分、時給は50円アップになるのだけれど、それでも学生バイトの多くは休みを取りたがる。

店長がパートやバイトの人たちに出勤をお願いして回る中、私は自らシフトを入れた。


私は夏のイベントよりも、時給アップを選んだのだ。

だからといってバイト一色だったわけでもない。

新那とは何度もお互いの家を行き来したし、怜央とは繁華街でデートもした。

闇狼の皆ともアジトで開かれた志貴の誕生日パーティーの時に顔を合わせた。


こうして思い返してみると、学校がないだけで普段となんら変わらない毎日だ。

でも、こんな私にもスケジュール帳の中には夏らしいイベントが一つだけあった。