中1の冬、櫻子のことが好きな男に僕ら4人は呼び出された。
人のいない河川敷で男の周りにはなぜか10人近くの仲間がいた。
彼らは皆、この辺りで有名な暴走族のチーム名が入った特攻服を着ている。
いつもと違う雰囲気に気づいてはいたが、僕らが「櫻子の周りをうろつくな」という男の要求を呑むことはなかった。
その答えに激怒した男と仲間たちは実力行使に出た。
それが僕たちの初めての喧嘩だった。
闇狼が勝利したことによって、その男は櫻子から手を引き、僕らは同時にチームの名を揚げた。
始めは真中くんの友達、次はその友達が友達を引き連れて闇狼はどんどん大きなチームとなっていった。
僕は暴走族になるつもりはなかったし、喧嘩も苦手だ。
でも、チームが大きくなればなるほど櫻子は護られたのだ。