【後日談】


結局、志貴の誕生日パーティーは夏休みに仕切り直すことになり、闇狼のアジトで盛大に開かれた。


狂猫との抗争が終わった夜、怜央は闇狼のメンバーに私が偽りの姫だったことを、私は志貴に家政婦ではなく姫という仕事をしていたことをそれぞれ話した。


すると、なぜか今日『瑠佳さん改めて闇狼へようこそ』パーティーも同時に開かれて、櫻子さんの手術が一昨日成功していたことを委員長が告げると、今度は『櫻子さん手術成功おめでとう』パーティーに。


もうなんでもあり。


でも、皆が楽しそうならそれでいいかなんて思えてくる。


志貴と新那は意外にもあっさりと怜央との交際を認めてくれた。


「「姉ちゃん(瑠佳ちゃん)を護ってくれる味方が増えたと思うことにする」」と言って。


香坂はあの抗争以降、私たちの前に姿を現していない。

美李亜は学校には来ているものの、志貴のことは避け続けているらしい。

ただ、志貴の机の中には宛名のない手紙が入っていて、そこには『ごめんなさい』と一言添えられていたのだとか。




偽りの姫から正式な姫となった私は予定よりも早く怜央との雇用関係を解消して、怜央が働いてるガソリンスタンドのバイトを紹介してもらった。

「俺と瑠佳はバイトだからそろそろ抜ける。あとは好きにやれよ」


「「「押忍!お見送りします。総長!姫!」」」




時給1,200円だった雇われ姫は、大切な人と頼りになる仲間に出会い今日も元気に働くのです。



「今日もいっぱい稼ぐぞー!」


愛しい総長様のそばで──。


fin.
(番外編、SSへと続く→)