「ねぇ、いつもこんな感じなの?」
怜央の提案により、まずはアミューズメント施設を訪れた私たち。
そこで私はさっきから気になって仕方なかったことを怜央に尋ねた。
「何が」
「視線。ずーっと見られてるんだけど」
ここに来るまでの間、まるで隣に芸能人を連れて歩くマネージャーのような気分だった。
前から歩いて来る女の子たちは、すれ違いざまに必ずと言ってよいほど怜央に視線をやる。
中には隣にいる彼氏のことも忘れて「かっこいー」とつぶやいてしまう人も。
今もボウリング場にいるというのに、周りはゲームよりも怜央の話題で盛り上がっている。
「あぁ……。別に今更気になんねぇよ」
「へぇ」
これが日常茶飯事なんてすごいな。
「瑠佳が気になるなら、見んなって言ってくるけど」
「い、いいよ。そういう意味で言ったんじゃないから。それに今日は私の存在を知ってもらうことが目的なんだし」
……と言っても、注目されているのは怜央単体なんだけど。
正直、本当に街を歩いているだけでいいのか不安だった。
しかし、これなら噂になるのも早そうだ。



