あなたは誰なの?敵?味方?
それだけでいいから教えてほしい。
わからない。わからないけれど、2人を助けるためには、あなたの協力が必要な気がするの。
だから、私が取る行動は一つ。
この人を連れてここを突破する!
私のことなど既に眼中にない男の背後を取るのはいとも容易く、勢いよく蹴り上げた足は見事に男の急所へとヒットした。
「ゔっ」と声が漏れて、目の前の大きな背中が小さく丸まる。
「ど、どこの誰だか知らないけど行くよ!」
男が戦闘不能なうちに敵か味方かわからない男の手を取り、物置裏から逃げ出す。
けれど、急所を押さえながら縮こまっていた男が「裏切り者だ」と大声で叫んだことにより、2階にいた狂猫の男たちが騒ぎ出した。
「……ここで捕まったら2人を救出できない」
「大丈夫、まだ相手は僕たちの行動に気づいていない。だから、大丈夫だよ水瀬さん」
一緒にいた男は私を落ち着かせるために声をかけてきたのだと思う。
だけど、彼が私を“水瀬さん”と呼んだことによって、それどころの話ではなくなった。



