【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



男は私の行動に一瞬、戸惑いの表情を見せる。

……ん?あの目、どこかで見たことがあるような……?



「僕は……、」

男が何かを言いかけたその時、別の男が現れて私たちに気づいた。


「おい、ここで何してんだ。……って、闇狼の姫じゃねーか」



「……やっぱり罠だったの?」


「は?何のことだ。つーか、いつの間に縄を解いたんだよ。……ったく、手間かけさせんな」


指をポキポキと鳴らしながら近づいてくる男の前に、私をここまで連れてきた男が立ちはだかる。

その行動に今度は私が戸惑いを隠せなかった。



「なんだお前?どけよ」

「……………」

「無視してんじゃねーよ。お前も香坂さんに金もらって来てんだろ」


「お前らみたいなクズと一緒にされたくないね」

「……は?お前、今の言葉もういっぺん言ってみろよ」


後から来た男は私のことなんか忘れて、目の前の男に掴みかかる。


……こんな所で仲間割れ?

いや、違う。


私の憶測でしかないけれど、私をここに連れてきた男は狂猫の仲間なんかじゃない。