「……今は狂猫が優勢に見える。答えたんだから早くその足を退けて」
「“今は”ね。まぁ、いいか」
私の返事に満足したのか、香坂は足を退けると殴り合う男たちを器用に避けながら前へと進んだ。
「姫……護れなくてすみません」
背後から聞こえたか細い声に、下唇をきつく噛みしめて涙をこらえる。
闇狼を終わりになんてさせたくない。
いいや、そんなこと絶対にさせない。
私はこの居場所を護り抜いて、櫻子さんへと返すんだ。
「おい、香坂さんだ。道を開けろ」
階段の前で待機していた男たちは、香坂に気づくと左右に分かれ道を開けた。
「2階から見る景色はさぞかし絶景だろうな」



