「香坂さーん。それでこの女どうします?」
「連れてこい」
「うぃーっす」
私の前にいた男たちが道を開け、視界には再び香坂と美李亜の姿が映る。
「とりあえず正座でもしてもらおうかな。足は自由なんだし簡単でしょ?」
ここで私が拒否をすれば、志貴や新那に危険が及ぶかもしれない。
「……わかった」
指示通り正座をした私の前に香坂がしゃがみ込む。
そして、彼はあの日と同じようにナイフをチラつかせた。
「やっぱり最初は目に見える傷かな」
ひんやりと冷たいコンクリートが私から徐々に熱を奪っていく。
体が震えるのは、それだけが理由じゃない。
「今回は脅しじゃないから」
香坂が本気の目をしているからだ。



