【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



香坂が一言指示を出すと、周りにいた男たちが一斉に私を取り囲む。

「姉ちゃん───!」

志貴がそう叫んだ直後、2階からガシャンと大きな物音がした。



「うるせー!黙ってろ。……次、騒いだらわかってんだろうなぁ?」


志貴の近くにいた男が鉄パイプで地面を叩きつける。

男の行動はまるで「次はこの棒をお前に向けて振り下ろす」と言っているようだった。






「ってことだから、大人しくしててね〜」

「おい、誰か縄知らね?」

「あ?あー、あった。ここここ」

「……この女、まじで抵抗しねーな」

「そりゃ、あんなの見せられたあとに無理だろ。そろそろ泣き出すんじゃね?」

「かわいそー。つーか、闇狼来ねぇじゃん。俺ら必要あった?」

「来ねぇ方がよくね?どっちにしろ金はもらえんだし。それなら楽な方がいいだろ」

「それもそうだな」


私が抵抗しないように腕を掴む男。

その手を背中へと回し、後ろ手に縛る男。

それを周りで見ている男たち。

……ここに来た時も思ったけれど、彼らは闇狼の皆とはあまりにも違う。

闇狼の皆は自ら人を傷つけなりなんてしない。