「君が闇狼の姫になってくれたおかげで、俺と美李亜の絆はより一層強いものになったんだ。礼を言うよ」
「何が礼を言う……よ。ふざけないで!」
「本当は君にも感謝してほしいくらいなんだよ?」
「どうして私があなたなんかに……!」
「だって、君が蓮見の姫になれたのは俺のおかげでしょ?愛しい幼なじみを護るためだけに用意された偽りのお姫様」
片方の口角だけを上げて、ニヤリと笑う香坂。
「…………なに…………言って?」
“偽りのお姫様”
香坂は確かにそう口にした。
彼は私が偽りの姫だということに気づいていたの?
一体いつから?
もしかして、私を攫った時にはもう…………。
「敵のことを調べてたのは君たちだけじゃないんだよ。まぁ、調べなくても君が偽物だってことにはすぐ気づいたけどね。だって、蓮見があの幼なじみ以外を姫にするなんてあり得ないから」
香坂は私の反応を見て楽しんでいる。
一旦、冷静になって落ち着こう。
そうでないと相手の思う壺だ。



