「それもあるけど正直、甘え方がよくわからないんだよね」
母が亡くなった後、まだ幼かった私たちを男手で一つで育ててくれた父。
そんな父に甘えるなんて、自分勝手でわがままなことだと思っていた。
だから、今更どうやって人に頼ったり、甘えれば良いのかわからない。
「わからないなら、これから覚えていけばいいだろ。俺の隣で」
「……へっ」
「何か文句でもあんのか?」
その言葉に首を大きく横に振る。
「よし。じゃあ、まずはさっきみたいなことがあったら俺に隠さず頼ること」
「うん」
「あと前に海に行きたいって教えてくれただろ。そういう話をもっとしてほしい。一緒にやりたいこと全部叶えようぜ」
「……それって、甘えるの範疇を超えてない?なんだか甘やかされてるみたい」
「俺は瑠佳をずぶずぶに甘やかしてやりてーと思ってるけど?」
そう口にした怜央は、私の頭をぐりぐりと撫でると優しく笑った。



