でも、ドキドキしている場合じゃない。
今は大切な話の最中だ。
「え、えーっと。じゃあ姫の仕事は続行ってことでいいんだよね?」
「ああ。だけど、ひとつだけ条件がある」
じょう……けん……?
今まではそんなもの存在しなかった。
今後は私自身も、もっと気を引き締めるように。
そういった類の話だろうか。
「条件って何?」
私の問いかけに怜央が立ち上がる。
そして、彼は両方の手で私の顔を包み込むと、予想外の言葉を口にした。
「俺にもっと甘えること」
「…………え?」
私が姫を続けるにあたっての条件だよね。
それが、甘え……?甘えること?
「い、意味がよくわからないんだけど?」
「何でもかんでも一人で抱え込もうとするなって話。海でも似たような話したろ?」
「…………したね」
「いつになったら俺に頼ったり、甘えてくんの?」
怜央が私の顔を覗き込む。
その姿に胸がドクンと鳴った。
「怜央の気持ちは嬉しいけどそれは……、」
「瑠佳の性格上、難しいんだろ?」



