【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



「もうこんな時間か。そろそろ寝るか?」

怜央がそう口にしたのは、私が彼の家を訪れてから5時間近くが経過した頃だった。


今、私たちは並んでソファに座りバラエティ番組を観ている。

テレビ画面の右下に表示されている時刻は0時30分。 

そろそろ就寝しても良い頃だろう。

けれど、私は怜央の言葉にすぐ返事をすることができなかった。

つ、ついにこの時がやってきた……。


「……瑠佳?まだ観たいもんでもあんのか?」

テレビの前から動こうとしない私に首を傾げる怜央。

「ううん。ね、寝る!明日も学校だもんね」

「それはサボってもよくね?」

「よくない!」

そんな会話をしている間にたどり着いたのは寝室。

もちろん、ベッドはひとつ。

……そうだよね、一人暮らしだもんね。

「さっさと入れよ?」

扉の前で立ち尽くす私を見て怜央が言う。

「えっと……私はリビングで寝ようかな?ソファ借りてもいい?」


「ソファ?瑠佳もここで寝ればいいだろ」

ベッドの左端に寝転んだ怜央は、空いているスペースをポンポンと叩く。