私、そんなに大きな声を出してたの?
今後は声のボリュームに気をつけよう。
「誰か待ってるのか?」
「と、友達を待ってます」
他校の暴走族を待ってます。なんて口が裂けても言えない。
ただでさえ最近は怜央と一緒にいることで心配をかけているのだから。
「おーそうか。あ、まだ時間があるならちょっと雑用頼まれてくれないか?すぐ終わるからさ」
「……雑用?すぐに終わるならいいですけど」
私は5分後、この選択を後悔することとなる。
「これ、絶対10分やそこらじゃ終わらないでしょ」
目の前にはダンボール箱に入った大量のプリント。
それを机に並べながら一人ため息をつく。
今から5分前。
柳沢先生に頼まれた雑用は課題のプリントを5枚セットにして、ホッチキスで留めるというものだった。
「仕事の速い水瀬なら10分あればできるだろ」
そんな口車に乗せられて引き受けたが、この量は絶対10分なんかじゃ終わらない。
現に5分が経過したというのに、まだ10分の1程度の作業しか終わっていないのだから。



