【完全版】雇われ姫は、総長様の手によって甘やかされる。



「………………」

「………………」


話を謎の音で遮られて黙る怜央、恥ずかしくて何も言えない私。


「怜央!瑠佳ちゃん!今、すごい音したけど何?」

「な、何かの鳴き声かな?」

そこに帰って来た真宙くんと新那が揃って首を傾げる。




「い、今のは………………私のお腹の音です」


恐る恐る手をあげる私を見て、3人はそれぞれフォローの言葉を口にした。


「お、お腹ね!空いたよね!私もペコペコだよ」

えへへ、と笑う新那は今日も変わらず優しい。 


「瑠佳ちゃんと新那ちゃん、水遊びで体力使ったもんね」


フォローの言葉から、真宙くんがモテる理由がよくわかる。 


「……かいじゅ……猫がいたな」

それに比べて目の前の総長様は……。

可愛い動物に変えればフォローになるとでも?

でも、こういうところも嫌いではない。

そんな風に思ってしまう私は重症だ。

「いや、今のはなんつーか。……てか、腹減ってんならパンでも食うか」


怜央はそう言うと、鞄からベリーベーカリーと書かれた袋を取り出した。


その中から次々と出てくるお惣菜パンや菓子パン。

「おっ、有名なパン屋のやつじゃん」

それを見た真宙くんの声がワントーン上がる。