「あ、瑠佳ちゃんおかえり」
海辺から離れて数分。
階段に腰掛けていた真宙くんが、戻ってきた私と怜央に向けて手を振る。
櫻子さんで見慣れているのか、お姫様抱っこをされている私を見ても彼は特に何も言ってこなかった。
階段に降ろしてもらった私は持っていたハンカチで足を拭く。
早く新那を迎えに行かないと。
まだ水気の残る足に靴下をあてがった時、怜央が真宙くんに話しかけた。
「小川のことはお前に任せた」
「んー、了解」
軽い返事をした後、砂浜を歩いて行く真宙くん。
「新那の迎えなら私が行くってば」
バイクの後ろに乗るのと、お姫様抱っこをされるのとではわけが違う。
「あいつサンダル持ってるから大丈夫だろ」
「あ、そうなんだ。じゃあ大丈夫そうだね」
サンダルさえあれば裸足で砂浜を歩かなくてすむ。
お姫様抱っこじゃなければ新那も安心して戻って来られるだろう。
それなら、ここは真宙くんに任せるとしますか。



