「何、落とされてーの?」
「そうじゃなくて、何この格好」
「これなら瑠佳が砂浜を歩かなくてすむだろ」
そ……れは、確かにそうなんだけど。
探せば他にも方法はあったはずで、何も怜央がわざわざ私を抱きかかえる必要はなかった。
「とりあえず降ろして、ね?」
「やだ」
やだ??
今、やだって言った?
まるで子供が駄々をこねるような口調で私の頼みを却下する怜央。
「や、やだじゃなくて」
「小川、瑠佳の足に水かけて砂落として」
「は、はい!」
新那は両手いっぱいに海水をすくうと、それを私の足へとかけて砂を落とす。
「ちょ、怜央は私の話を聞いて。それから新那も怜央の言うことなんて聞かなくてもいいから!」
私の言葉には一切耳を貸さずに海水をかけ続ける新那。
そのおかげで足はだいぶ綺麗になったのだが、正直もう足の汚れなんかどうでもいいから一刻も早く砂浜へと降ろしてほしい。



