「皇羽さん疲れてるのに…。もう、こんな事をする暇があるなら、少しでも寝たらいいのに」
本当にピンチヒッターが倒れてしまいそうな皇羽さんの多忙さに、何となく居心地が悪い。
広い部屋。
私の分の食器しかないシンクの中。
いつももぬけの殻の大きなベッド…
「この部屋…こんなに広かったっけ…」
ぐるりと見まわして、肩を落とす。だけど時計を確認した後――
電車の時間が迫っていることに気づき、慌てて準備を始めた。
◇
「では、これから応援グッズを作りたいと思います」
「グ…グッズ…?」
あれから――無事に時間内に学校に着いて、現在は昼休み。
クウちゃんが持ってきた大きな荷物の中身が、明らかになった。