氷の王子さまは、花のような魔女に永遠の恋をする。

「ビスク、は知っていらっしゃいますか?」

「......びすく? 『びすけっと』という優しい甘さのよくわからないやつの別名かしら?」

「ビスケット、とは違うものでございます」

「え? 別名じゃないんだったら、略語?」

「違うのでございます」

「......どういうこと?」

「行けばおのずとも分かるのでございますよ」


そう言われ、夕食を食べるために食堂へ。




「......え? 何かしら、この料理は......」

「お食事でございます」

「これが食事っ!? 量が多いし、なぜかパンには斑点がないわよ!?」

「パンには普通、斑点はないのでございますよ」

「いやあるよね? 黒い斑点......」

「ないのです」

「えええええ?」


ともかく、と座らされる。

一応、本を読んでいたから、マナーは完璧。

独学だけれど、大丈夫なはず。


「......っ」


食事中はしゃべらない。

そういうマナーなのだけど......。


何これっ!

とってもおいしい!

お肉柔らかいし、なんか味付けが絶妙で、とってもほっぺたが落ちちゃいそうっ。


こんなおいしい食べ物がこの世に実在するなんて......。