俺が何かを見逃しているような物言いに黙る。

「悠介が、柚希に恋愛するだけの余裕だとか環境を与えたんだろ。おまえに大事にされていく中で傷が癒えて、普通に恋愛する〝女の子〟になれたんだ。今度、おまえと一緒に飯食べに来いって言ったら、照れてはしゃいでて……あれはちょっと、感動するくらい嬉しかった」

落ち着いた声でそう言われ、なかなか返事ができなかった。
雄二さんが感じた柚希の変化が事実だとしたら、どうして期限を早めたいなんて言い出したのか説明がつかない。

もしも俺が好きなら、自ら関係が早く終わることを望む理由がわからない。
いや……そもそも、俺が見てきた柚希と、今雄二さんから聞いた柚希が矛盾している。

雄二さんが嘘をつくとは思えないとはいえ、すんなりと受け入れられそうもなかった。

「柚希によろしくな」

最後、そう笑った雄二さんにうまくうなずくことができなかった。