「〝絶対〟とか繰り返す子どもみたいな言いぐさではあった。でも、バカにはしていない」

気配を感じて顔を上げた途端だった。
いつの間にか目の前まで近づいていた悠介が私の顎に手をかけ、そのまま唇を重ねた。

驚いて目を見開いた私に、五秒ほどで離れた悠介は至近距離から笑顔を向ける。

「可愛いと思っただけだ」

これはきっと……あれだ。親愛のハグの延長のキスで、深い意味はない。
外国で、大人が子どもの頬やおでこにして慈しんでいる、見ている側がほっこりするあれだ。だから違う。恋愛感情からでは決してない。

そうでも思い込んでおかないと、私の胸の中で猛獣みたいに暴れている恋心が暴走して口から告白となって飛び出しそうだった。

その後、機嫌を窺いつつ期間短縮を再度提案したのに、悠介が受け入れてくれることはなく、私はまた子どもみたいに口を尖らせるほかなかった。