見事言い当てた蘭にびっくりしながらも、「……あった」とうなずくと、蘭の方が目を見開き顔中に驚きを広げた。

「えっ、本当に?!」
「え、わかってたんじゃないの? 自信満々に聞いてきてたのに」
「いや、たぶんあったんだろうなーとは思ってたんだけど、実際に肯定されたら衝撃がすごくて……えー、なになに? なにがあったの?」

パイプ椅子を引っ張りガタガタと私に近寄ってきた蘭が目を輝かせる。
どう説明しようか悩んだものの、順を追わないとまとめられる自信がなかったため、「長くなるけどいい?」と前置きして、実家に帰ったところから話し出す。

母親との話に「はぁ?!」とどすの効いた声を出したり、夏美さんのプロデュースしたホテルに宿泊した話に「え! いいなぁ!」と明るく言ったりと、表情をくるくる変えながら私の説明を聞いていた蘭は、すべてを聞き終えるとポカンと口を開けて固まった。

「え、待って。……有沢さん、柚希のこと好きじゃん。いや、なんか柚希から聞く話の内容で薄々そうじゃないかとは思ってたけど、確定した。もうそんなの柚希が好きじゃん」

真顔で言われ、首を横に振る。

「違うよ。逆。私がたぶん悠介を好きになっちゃったって話だよ。なんか、もしかしたら……くらいの気持ちだったんだけど、さっきの漫画見てたらしっくりきたし、きっとそうなんだと思う。本当に今更なんだけど。っていうか、いつからなのかもいまいちわかってないけど、たぶんそう」