契約夫婦なのに、スパダリ御曹司は至極の愛を注ぎ続ける



「……ん」

しばらく、私の唇を柔らかく挟んで遊んでいた悠介が、覗かせた舌先で私が固く結んでいる唇の縫い目をなぞる。

その感触にわずかに震えていると「柚希」と名前を呼ばれ、口を開けるよう催促された。
悠介の声が今まで聞いたこともないくらいに甘く耳に響くせいで、肩がすくみながらも、なんとか唇を開く。

悠介に言われたからといって、ほいほい口を開けるなんて、まるで私からキスの続きを強請っているようで恥ずかしいとは思うものの、もっとと思う衝動が止められなかった。

素直に従ったからか、悠介がふっと小さく笑ったのが吐息と音でわかり、頬が熱を持つ。一気に恥ずかしさが増し、やっぱりここでやめようとうつむこうとしたところで、悠介の指が顎にかかりすぐに唇が重なった。

「ん、ぅ……っ」

入り込んできた舌にビクッと体が跳ねる。
そんな私を抱き締めたまま、悠介は角度を変えながら私の咥内をゆっくりと撫でまわしていく。堪能するという言葉がぴったりなほど、じっくり這っていく舌に、次第にぞくぞくとした感覚が生まれ背中を走り出す。

口の奥で縮こまっていた私の舌を探し出すと、悠介はそこに自分の舌を重ね撫でるように優しく触れる。

静かな部屋に立つ、わずかな水音がどんどんと部屋の雰囲気を甘く妖しいものに変化させていた。