その日から数ヵ月程経ったある日。


宇花のスマホに雄斗からのメッセージが入っていた。

《今日ってこの後、暇?もしよかったら、今から会えないかな?話したいことがあるんだ。》

雄斗はあまり頻繁に自分からメッセージを送ってくる人ではない。


嬉しい半面、急に何故だろうという疑問半面

《ゆうくんからのメッセージって珍しいね!
今日なら暇だよー!》

取り敢えずそう返信するが、

《でも、話したいことって?たぶん、ゆうくんがそうやって言うってことは、結構大事なこと…だよね?今ここでじゃ、だめなの?》

付け足して、気になったことを尋ねる。


既読がついてから数分後、

《やっぱり、面と向かって話した方がいいと思う。今は、ごめん。話せない。》

《じゃあ宇花、今から迎えに行く。俺の家でも良い、よね?》


結局、なんの話かは聞き出せなかった。

会ってじゃないと話せない話ってなんだろう。

…悪い話じゃないといい、けど。

そうは思ったが、返事を遅らせていることを思いだし、

OKのスタンプと

《あっでもお迎えはいらないよー!一人で大丈夫!》

の文字を打ち込み、その文面を送信して一息つく。

申し出を断るのは心苦しかったけど、さすがにゆうくんに二度手間をとらせることはしたくない。


それにもし、そこで“会ってじゃないと話せない話”をされてしまったら…と考えると、やはり承認するというのは容易いことではなかったのだ。