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「お前,なんで2限からなのにそんな眠そうなんだよ」



翌日,大学に出向いた俺は隣に座った友人に,おはよう代わりにため息を落とされる。

たまにオカンだと思っているそいつに俺も



「うるせーな。夜中のブルーライトは睡眠に毒なんだよ」



反抗期の息子みたいな反応で返した。

眠れないのは恐らく,配信の興奮もあるとはあえて言わない。

家も,特に大学から近いわけではないし。



「どいつもこいつもはっちゃけてんなあ? お前もゲームだろ,睡眠時間くらいちゃんととれや」

「……なぁ,世界って広いよな」

「あ?」



ちらりと相手を見やる。



「見た目口調ヤンキーなのに,くそ真面目のオカンだもんな,ともやん」



金髪,オールバックにテカった黒丸ピアスが耳と口に2つずつ。

鋭い眼光。

服やアクセのセンスまで,端から端までみちゃだめの人種。

ガラガラと扉の空く音がする。

ともやん,中垣智哉(なかがき  ともや)の言う通り,2限の始まりだ。