わかってはいる。わかってはいるけれど、いまのわたしに何かが出来ることがあるとすれば、襲われることくらいしか思い浮かばない。

 当然、ラインハルトたちにそんなあさはかな計画は話せない。話そうものなら、とんでもないことになってしまう。

 だから、ラインハルトが「ぜったいに一人にはならない」、「何があってもムチャはしない」、「異変を察知したら人を呼ぶ」等々、覚えきれないほどの注意や決まり事を並べたてている中、神妙な面持ちできいていた。