「もうっ! お義兄(にい)様ったら、あいかわらずシャイなのですね。久しぶりにお会いしたといのに。まあ、いいですわ。来週、わたしの社交界復帰のパーティーが行われるのです。ついでといってはなんですが、お父様の引退とヨルクお兄様の爵位継承と宰相就任のお祝いも兼ねています。お義兄(にい)様は家族ですから、是非とも出席なさってくださいますよね?」
「オリーヴィア、皇宮(ここ)の出入りを禁止しているはずだ。さっさと出て行け。出て行かぬのなら、親衛隊に……」
「お義兄(にい)様ったら。わかりました。出て行きます」

 彼女は、フラフラと歩き始めた。と思ったら、こちらに振り返った。