「シュッツ。いまのは、あなたの願望ですよね?」

 そして、彼にツッコんだ。

「バレましたか。まったくその通りです。しかし、そのお蔭であなたの笑顔を見ることが出来ました。チカ。あなたは、笑顔が似合います」
「ああ。ほんとうに笑顔が素晴らしい」

 シュッツとジークもまた、笑顔を褒めてくれた。

 これまで笑顔だったことがないから、だれかに言われたことがなかった。それどころか、だれかがわたしのことを、気に留めることすらなかった。

 クラウスだけではなく、他にも笑顔を褒めてくれる人がいる。それなら、笑顔に自信をもっていいのかしら。