今日も愉快な仲間に表情を緩ませつつ、扉を開いて外へ出た。朝はやっぱり肌寒い。


「おはよう! 青葉薫が既読無視したせいであんまり寝られなかったんだからな! 反省しろ! そんで、今日はどこに行くの?」

「「「「……」」」」


 私が視界に入っているはずなのに。私の声が届いているはずなのに。


 私を無視して固まっている4人組。どうしてやつらは固まっているんだ。そんなに私のセンスはおかしいか。


 カーキのワイドパンツに大きいチェック柄のシャツをハーフイン。足元は白のスニーカー。持ち物は最小限に小さいバッグにしたのだけど……変なのだろうか?


 通常は自信たっぷりの私と言えど、女子っぽいところが絡んでくると急にネガティブになってしまう。なぜなら誰かと遊びに行った経験がないからな!


「不意打ちは卑怯だぞ」

「薫は素直に可愛いって言えばいいのに~」

「まぁ、自分でいつも言うだけあって見た目はいいよね」

「姫じゃなくても一人にしちゃいけないタイプだね」


 各々(おのおの)の感想に胸をほっと撫で下ろした。