「っ夢羽…!!!」 もうあと数センチで影が重なるところに、今朝聞いたばかりの安心する声が聞こえた。 「…っ、凛くん…っ!!」 そこには、焦った顔で名前も知らない美少年を睨む凛くんがいて。 「瀬凪(せな)、なにやってんの…!?」 「いだっ…!!」 凛くんが「瀬凪」と呼んだ彼の頭を、思い切りゲンコツした。 「〜〜っ!なにも殴らなくたっていいじゃん!?ちょー痛いんだけど!!」 瀬凪くん?は、痛みに悶えながら凛くんを睨み返す。 「ゲンコツで済んだだけありがたいと思ってくれる?」