「その片耳にしているピアスに誓って、お前の口から話してみろよ。真実をな」

「……意地悪な言い方するよね。だからお前の事は好きになれないんだよ」




すると、ようやく白いのが口を開いた。髪を耳にかけたその時、三日月のピアスがキラリと光る。




「……俺の月が欠けたままだから。俺は、その穴を埋めたかっただけなんだ」




白いのは、三日月のピアスを耳から外す。そして雲から顔を出し始めた三日月に重ねるように、ピアスを少しづつ高く持ち上げた。




「伊織、正直に話すよ。そして生吹――ライバルであるお前にも。


これは俺の計画でも策略でも、何でもないんだ。これは、ただの俺の話だよ。とある小さな頃の話を、俺が成長するにつれて、事を大きくしてしまった――そんな俺のバカな話だ」




そう言うと白いのは、淡々と語り始めた。




「俺の名前は純白純弥。
LunaとMoonの総長だ。

またの名前を真白という。
そして、あかめ。


これが今まで生きて来た中で、
俺が使った名前たちだ――」