「いくつの顔って、どういうことだ?LunaとMoonの総長意外にも、純弥は何かしているのか……?」




白いのが総長って事さえ、まだ納得できていないような。俺が初めて見る、藤堂さんの戸惑った表情がそこにある。



「じゃあ聞きますが」



俺は白いのから目を離さず、東堂さんに質問を投げた。




「なんで二つの暴走族の名前がLunaとMoonだと思いますか?」

「……は?」



「どうして同じ人物が総長しているのに、族が二つに分かれているんですか?」

「どうして……って……」




俺の質問に、藤堂さんの瞳が揺れた。もちろん「全く分からない」という意味の揺らぎ方だ。それは隣にいた一輝も小太郎も同じようで、二人して首を傾げている。


想像通りの反応に「ふぅ」と息が漏れる。



白いの、お前の口から説明する時だ――