*生吹*





ケンカが何で強くなったかは、いまいち俺にも分からない。



だけど、あえて理由を言うなら――俺の事を妬んでイチャモンつけてくる奴らを追い返したかったんだ。



だから真白、お前が武術を習い始めた理由は、俺と似ているのかもしれない。








「お待たせしました、って言った方がいいかな?」




紫の男に寄り添う白いの。藤堂さんは驚いた目をしていたが、俺からすれば――



「やっとだな」



この一言につきる。



「え、待ってくれ生吹……やっとって、何がだ……?」



腕を負傷した藤堂さんは、怪我そっちのけで白いのに釘付けになっている。MoonもLunaも、いきなり現れた第三勢力に、様々な反応をしていた。



「新島兄の傍にいるってことは俺らの仲間か?」
「でも今まで見たことねーぞ」

そんな声がLunaから上がり。




「藤堂さんとよく一緒にいる純也さんじゃないッスか」

そんな声がMoonから上がった。