「ねぇお母さん」



アクセルを踏んで、私と生吹くんがバイクで来た道を戻っている。夕日が車内にまで入ってきて、少し眩しい。だけど、私は逸らさなかった。



「次に私に会った時に、中身がすごい強くなって勝気な女の子になってたら、どうする?」



するとお母さんはチラリと私を見て、フッと笑った。そしてたった一言だけを放って、私の全てを肯定する。




「そんなの――大歓迎よ」

「うん……っ」




車は走る。生吹くんのいる近くまで。あなたの、すぐそばまで。

だから、待ってて生吹くん。




「(一人で全部背負わせるなんて、絶対にさせないから)」




今度は私が、あなたを守る。



守ってみせる、絶対に――