「由香先輩、みどり先輩、お休みさせて頂いてありがとうございました。これ、お土産です」
 
そう言って美桜は、紙袋をテーブルに載せる。

「なになにー?お、おいしそう!本場イギリスの紅茶と、ショートブレッド!早速食べよ」
 
由香はいそいそとティポットを持ってくる。

「みどりの分も淹れるね。美桜は?飲んでく?」
「あ、私はいいです。業務日誌読んだり、連絡ノートチェックしたいので」
「帰ってきて早々、さすがねー」

由香はポットにお湯を注ぎながら言う。

「時差ボケは大丈夫なの?昨日帰国したばかりでしょ?」
「はい、しっかり寝たので大丈夫です」
 
するとみどりが席から立ち上がって、美桜にファイルを渡した。

「これ、今日の美桜のシフトと、連絡事項ね。ミーティングがメインかな。本当はショーのメンバーからも外してあげたかったんだけど、なかなか上手く組めなくて。まだ休みのメンバーもいるから。ごめんね、帰国早々にハードになっちゃって」
「いえいえ、全然構わないです。張り切って踊りまーす」
 
美桜がガッツポーズでおどけると、二人の先輩もおだてるように拍手した。