私達の仕事は,一般事務と呼ばれるあれ。

パソコンを毎日カタカタしては,メールや電話,来客などの対人間を担当することもある。

沢山のデータと人間に囲まれて,私は毎日なんとかやっていた。

のに,今日は何とも作業効率が落ちてしまう。

原因は明らか。

後から飄々とやって来た佐藤くんに



『まい先輩,すき。めっちゃ好き』



あれってどうゆう意味? 

なんて聞けるはずもなく。

聞く理由もないのにどきどきしたりして,いっそ聞いてしまおうかと思ったりもして。

だけどやっぱりそんな勇気はなくて。

なのに肝心の彼がにこにこと,仕事する私を朝からずっと変わらず見ているのだ。

気を抜いたら話し掛けられそう。

そう頭を過った瞬間から,私の意識は半分も持っていかれてしまっていた。



「あ,あの…すみません」