お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





もっと私がちゃんとしなくちゃなのに…。

嫌だなあ…、
いろんな人に声かけられてたら嫌…。



「どうしよう…、みんなどこ行っちゃったの…」



神社の拝殿に向かうまでの階段、目立たない端っこに身を隠している私の近く。

ひとりの浴衣姿の女の子が同じように不安そうな弱々しい声を落としては、今にも泣き出しそうだった。



「あの…、迷子ですか…?」


「きゃ…!」



気づいたら声をかけてしまっていて、私のことを幽霊だとでも思ったのか、小さな悲鳴を上げて肩をびくつかせる女の子。



「あっ、ごめんなさい…!驚かすつもりはなくて…、あの、私も迷子で…」


「そ、そうなんですか…?えっと、お隣に座っても…いいですか…?」


「ぜんぜんどうぞ…!」


「ふふ、ありがとうございます」



私の返事が面白かったらしい。

大人しそうな笑顔を見せてくれたおさげ髪の女の子は、水色ベースの私とは違って桃色ベースの浴衣を着ていた。


見た感じでは歳も変わらなそう。