お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





チラッと覗くと、彼らしい四字熟語が書かれていた。


ナナちゃんの字って意外と綺麗なんだよね…。

って言葉にすると怒られそうなので、心のなかに留めた。



「わっ、ナシナシ…!あー!これマジックだから消せないっ」


「…なに書いたの」


「ひ、秘密っ、吊るそ!?」



無意識にもペンを走らせてしまった私は、あとから見るとすごく恥ずかしい願い事を書いてしまった。

ナナちゃんにだけは見られないようにサッと隠して、あえて少し隠れるような場所に吊るす。



「おい、人のは勝手に見たくせに」


「あれは見えちゃったの…!あっ、向こうにヨーヨーすくいがあるって…!行こう行こうっ」



すっごい不機嫌そうな顔になっちゃった……!!

けど、これだけはダメ。
ごめんねナナちゃん…!



『今どこ?』


「…どこかの神社っぽいとこ」


『“ぽい”ってなんだよ。周りには何がある?』


「……鳥居」


『…たぶんそこは神社って言うんだよ』