「短冊だって。書く?」
「えっ…」
今度はたくさんの願い事が懸けられた、大きな笹の木。
オシャレにライトアップされていて、逆にロマンチックな雰囲気が出ていた。
そんな前にて、思わず驚いた反応を見せてしまうと、「なに?」と不思議そうに見つめてくる。
「ナナちゃん、こういうの興味なくて信用しない人だと思ってたから…」
「そのとおりだけど」
「や、やっぱり…?」
「だけど、今日はあんたがいるから。別にしたくないならいい」
ということは、私のためにわざわざ足を止めてまで聞いてくれたってこと…?
だったらその気持ちを無駄なものにするわけにはいかない。
それに、私は意外とこういうものが好きだったりする。
「書こうナナちゃん…!」
「…ん」
5種類カラーの短冊から、青色を選んだナナちゃん。
私はオレンジ色をチョイス。
「ふふ、無病息災」
「…見んなよ」
「たまたま見えちゃって!」



