お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





台風レベルではないものの、窓の先は止みそうにない雨が降っていた。



「ほら静かにしろお前ら!静かにしねえんなら俺の肩揉みさせるからな!」



しばらくして停電が復旧すると、手を叩きながら教室に戻ってきたキャラの濃すぎる担任教師。

タモツ先生の肩揉みはみんなしたくないみたいで、瞬時に静けさが広まる。



「今はまだ雨が弱いとのことで、今日はこのまま早めの完全下校となった」


「「よっしゃあ!!!」」


「だァから騒ぐんじゃねえっての!これは緊急事態なんだぞ!
ほら帰る準備だ、傘持ってない奴は好きな子に相合い傘でもしてもらえ!ガハハハハッ」


「タモツがいちばんうるせえよ!」



今日は登校時も降っていたから、さすがに持ってきていない生徒はいないんじゃ…。

それにしてもこんなにも近くに落ちた雷なんて初めてかも。


かみなり、カミナリ…。



「あっ…!!」


「ん?どした、ゆら」


「また明日ね雅っ!!じゃっ!」


「おい、ちょ、」