なにやら会話を交えてから、最終的にスッと伸ばされた手は、いつも私のことを撫でてくれる雅の頭へと。
ぽんぽんと叩いては雅を女の子の顔にさせて、爽やかに去ってゆく恐るべし甲斐田先輩。
うんうん。
やっぱり部活のことは甲斐田先輩が彼女を支えてくれているんだと、改めて実感すると友達として安心も出てくる。
「…なんだよ。憧れだって言ってんだろ」
「えへへ、ふふっ。お顔がまっかっかだよ雅~?」
「うっさい!!ゆらだってなあ!あの生意気クール王子と怪しかったぞ…!!」
「えっ!?怪しくなんかないよ…!」
「どこがだ!あんなのお前がウチに取られて明らかに妬いてただ───」
そんなとき。
ピカッ───!!
ゴロゴロゴロ───ッ!!
「きゃーーっ!落ちたっ、近くに落ちた…!!」
「やだこれ帰れるの…!?」
─────バチッ!!!
「停電!?タモツ!停電したぞ…!!」
「よっしゃ授業できねー!」
天気予報でも午後にかけて大雨警報、雷警報が出ていたような…。
さすがにそこまでにはならないだろうと誰もが気にしていなかったけれど、教室内の電気はシャットダウン。



