お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





「おい、しつこい男は嫌われるぞ」


「…またお前かよ」


「またってなに。初めて話したけど」



そしてここでまたもやバッチバチ。

守りに入ってくれる雅と、対抗するナナちゃん。


でもこうして2人が並んでいると目の保養というか…イケメンはすごいなあって思う。



「でもなんか、どっかで聞いた声してんだよなー」



どこか探り始めた雅。

もしかして気づいちゃう…?

でも気づいちゃったら、今ここでナナちゃんの顔面にボールをめり込ませられちゃうんじゃ…。


なんて心配は必要なかったみたいで、とくに気にすることなく新しい提案を持ちかけてくれた。



「ゆら、諦めてこいつに消しゴムやったら?ウチの貸すから」


「えっ、いいの…?」


「やめろ」



雅の「は?」と、私の「え…」が綺麗に重なった。


そのあとは。

なぜか私から消しゴムを借りることなく、「購買で買う」と言って2年A組を去っていった義弟くん。


あの子はいったい、なにをしにやって来られたのでしょうか。