これってもっと真実を話しづらくなっちゃってない…?

あのサングラスさんの正体が実は私の義弟で、この学校のクール王子さんなんだよって。


うん、まだ言えそうにない…。



「えっ、うそっ、十波くん!?どうしてうちらのクラスに!?」


「なになにっ、誰かに用でもあるの…!?」


「きゃーっ!!カッコいい~!!」



本人が説明するよりも周りが湧き立つため、いつも彼はどこであろうと目立ってしまう。


えっ、珍しい……、

というか初めてだよね…?


まさかまさかの2年A組のドアの前に現れたのは、今にも話していたサングラスさんだった。

けれど正体を知らない雅は、泣きついていた私を抱きしめてくれている。



「ナナっ、…なな、なに…かな?」



無断で教室に足を踏み入れては、私と雅の前に立ったナナちゃん。

またいつも以上に冷めた目付きを送ってくるものだから、思わず構えてしまった。



「きゃ…っ!」


「うわ、なにすんだよ」



ベリッと音が鳴りそうな勢いで剥がされた、私と雅の身体。

剥がした本人はつまらなそうに顔をムスッとさせながらも私を射抜いてくる。