「頑張ったんだよな?」


「…うん」


「やれるとこまではやったんだよな?」


「…うん」


「結果は?」


「ダメでした」



うわーん!と、朝練終わりの雅に泣きついた朝。


あれからたくさん頑張った。

お姉ちゃんではなくお兄ちゃんとして、お兄ちゃんの威厳というものを出そうと必死に努力して。


だけど、「喋りかけんな」と一刀両断。



「ぜんぜん似合ってないって言われちゃった…っ」


「…やっぱ言われんの、それ…、」


「この髪型も似合ってないのかなあ…」



ぐすん、ぐすん。

そんな私を受け止めてくれたイケメン女子───雅は、ぽんぽんと後頭部を叩いてからのわしゃわしゃ。



「似合ってる。すっげーかわいいよ」


「あああっ、すっげーイケメンだよ…!」


「そりゃどーも。てか、ゆら」



身体は離されることなく、空気感だけを変えて問いかけくる。



「ずっと気になってたんだけど、あいつどうなった?あのクソ生意気なサングラス野郎」


「あっ、無事に和解したよ…!し、知り合いでねっ」


「…つぎ会ったとき顔面にボールめり込ませてやる」


「わあっ、だめだめっ!もう来ないと思うから…!」