「え~、切っちゃうの?伸ばすって言ってたじゃない」
「気分が変わったの。あっ、11時からだからそろそろ行かなくちゃ!」
時計を確認してリビングを出ると、ちょうど階段から降りてきたナナちゃんと鉢合わせた翌日。
「おはよう!昨日はありがとう」と笑顔を見せて通りすぎようとすれば。
「うきゃっ…!」
掴まれてぐいっと止められた、2回目。
「おい猿、またあいつと?」
「だれが猿っ!」
「どこいくの?」
「いやっ、それは、秘密…だけど」
「は?昨日約束しただろ」
それとこれとは別なの…!
いろいろ準備があるんだからねお姉ちゃんにはっ!!
「あとその服なに。ぜんぜん似合ってねえんだけど」
「えっ、雅は似合うって言ってくれたのに…」
「センスわる。脱げよ、見てるだけで恥ずかしい」
「なっ、脱げって言い方…!帰ってくる頃には似合ってるはずからっ!いってきまーす!」
なんとか無理やりにも逃れて玄関を出た。



