お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





そして「やっば!」と、わりと大きめの声。



「部室に忘れ物した…!」


「えっ、大丈夫…?」


「大丈夫じゃないかも。あれ親に書いてもらって明日には提出しなきゃならないプリントなんだよ、やば、どーしよ…」


「と、とりあえず落ち着こう…!」



ここは3階。

引き返すなら下ればいいし、一旦これ以上のぼることはストップさせた。



「今から学校もどる…?」


「19時には顧問が帰るだろうから、それ前に間に合えば。わるい、ほんとごめん…ゆら」


「ううんっ!大丈夫だよ…!ご飯はまた別の日にいこう」


「さんきゅ、助かる」



急ぎ足でエスカレーターを下って、外に出ようとすれば。

またまた足止めを食らうかのように私たちは立ち止まった。



「うっそだろ…、ツイてなさすぎんだよ」


「ええっ、さっきまでは晴れてたのに…!」


「傘持ってないんだけど…。ゆらは?」


「わ、私も……」