お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。





「よしっ、じゃあ行くか!ウチがコーディネートするよ」


「はいっ!よろしくお願いします師匠っ」


「だからそれやめろって」



無事に腹ごしらえを済ませて、体力が回復した雅は気合いを入れて立ち上がった。

つられて腰をあげた私に「あ、それと」と、なにかを思い出したように見つめてくる。



「かわいいじゃん、そのワンピース。メイクも髪も、すごい似合ってる」


「………い、イケメンすぎるよ!!すき!!!」


「ははっ、行くぞー」



これが私たちのノリなんだと、最近になって確率してきた。


実はそんな雅には、憧れている人がいるみたいで。


なんと野球部の3年生で、主将を務めている先輩なんだとか。

学校で挨拶されたりすれ違ったりするたびに雅は「憧れてるだけだ」と、しつこいくらい私に言ってくるけれど、さすがに分かっちゃう。


その先輩のことを話すときや見つめているとき、必ず彼女は恋する女の子の顔をしているから。


なんてお話は、また今度するとして。